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Author: MOLS magazine
Protected: 即興音楽家・MAKOTO SAKAMOTO – 不規則な世界に求めるもの –
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Furozh Interview “SAY NO TO RACISM WE ARE ALL HUMAN”
Interview: ARI MATSUOKA Date of interview: 14 July, 2020 現在、ニューヨーク House, ambient, down tempo, traps… Furozh, a producer and founder of @offthescene_ in New York, who can change the music style flexibly and make it listen like a DJ mix. New York, where divisions and disparities were revealed by the Coronal Eruption. We interviewed him [...]
書けなくなっても

12月、ベルリンの息が凍るような寒さがとても好きだ。窓際に寄せたひとり掛けのソファに座って、対面の家に飾られた色鮮やかな電飾を見ていると、今年もこうしてドイツの冬を迎えられることが細やかながら嬉しく思う。 今年は予想もしなかったような状況が続けて起こり、誰もが必然的に自身のアイデンティティや内面意識と向き合わざるを得ない場面が多かったように思う。 私はまず、文章が書けなくなった。ライターとして実績もないまま単身で渡独した2019年、私は運良く沢山の出会いのもと、密な取材や執筆に携わることが出来たと思っているが、それは私が外から取り入れた情報から断片的にかいつまんで書いた文章に過ぎず、自分の言葉で表現出来るほどのボキャブラリーが無かった。 しばらくして、私はソーシャルメディアやGoogleから学ぶことを一定期間辞めた。その結果、思うような文章が書けなくなった。 書いて、書いて、書きまくる。その努力が出来ていなかったことも事実ではあるが、それ以前に、自分の言葉の持つパワーが弱く、読む人の心に響くボールを投げ込むことが出来なかった。去年までの私だったら、書けなくなったことに悲観し、ライターとしての肩書きを名乗るまでもないと罵り、すっかり自信を無くしていただろう。「ああ、これが今の私なんだな。もっと頑張ろう」そんなマインドで年末を迎えることが出来るようになった自分を、今年は少しだけ許し、認めてあげようと思った。私は、ようやくスタートラインに立った。変なプライドや意地は今の私には勿論必要のないことで、封鎖された世界の中、私はベルリンという街でようやく自分の実力を知り、その上で新しい世界を経験し視野を広げることが出来るようになったと感じている。 https://youtu.be/bjauDTkw9JE MOLS - between dream and reality 2020年3月、私は初めて映像作品を制作することになり、自分のなかに渦巻く黒い部分や、他人に見せたことのない一面を放出することに集中した時期があった。それはとても苦しくて苦しくて、作品を作るということはこんなにも精神を削ることなのかと、改めてアーティストに対して尊敬の眼差しを送ったことを今でも思い返す。 あれから、私は文章を書くというアウトプット方法から一時的に視点を変えて、映像を撮ることや頭の中にあるものを視覚化することにシフトした。いつか本当に文章が全く書けなくなったとしても構わない。私が自由に表現出来る方法を探そうを思った。 結果、私の拙い文章力でも「取材して欲しい」と依頼されることや、過去の映像作品を気に入ってくださり新しいプロジェクトに参加させていただく機会が増え、もの書きではなく、ARI MATSUOKAとして声をかけてくださったことが多かったような気がする。 これまで、一生懸命”私”を生きるアーティストたちを目の前に、ライターとして、業務的ではなく、人として一生懸命相手の意思を汲み取ろう、理解しようと努力したことが相手にも伝わったのかなと思うととても嬉しい気持ちになる。 アートは生き方が全てであるように、文章も生き方が全てだと思う。これまで、私は”私”を生きることに一生懸命になれていなかった。そんな私がさまざまなアーティストの方と繋がり、真正面から向き合うことで自身の内側と外側が一体となっていく過程をリアルタイムで実感することが出来た。私の周りには、将来人格者になるであろう可能性に満ちた素晴らしい人が沢山いる。 今の私に最も必要なことは、文章を書くことでも、映像を撮ることでもなく、自身を見つめること。世界は停滞しているようで、実は物凄い早さで進化し続けている。世界はちゃんと循環しているんだ。私は私で、日々の出会いを大切に、1日1日逞しく生きる姿を、身近で大切に思ってくれている人に見せることが出来るようになれたらいいなと思う。
ノイズバンド・夜光虫がUKのインディペンデントカセットレーベル”INDUSTRIAL COAST”より1st albumをリリース
ベルリン在住の日本人アーティスト3人によるノイズバンド・夜光虫-noctiluca-の1stアルバム「Noctiluca - Prelude」が10月30日(金)にリリースされた。 今回、イギリスのノイズシーンで最も注目を集めるインディペンデントカセットレーベル「INDUSTRIAL COAST」からのフィジカルリリースされたということで、”夜光虫”というなんとも怪奇でおどろおどろしい名前が、ドイツから海を渡りコアな音楽ファンへと一斉に広まることとなった。 メンバーは、ベルリンアンダーグラウンドで活躍するピアニストRieko Okuda、サウンドアーティストMakoto Sakamoto、ギタリストRyusui Tatsumiのトリオで結成され、それぞれ実験音楽家でもある彼らは、ノイズ音楽界のディープゾーンに野盗の如く現れ、聴衆を怒号の渦で喰い尽くしてしまう程アバンギャルドな世界観を創り上げている。 https://youtu.be/3SKhF_ZnM3k 夜光虫 Noctiluca - Prelude (2020 debut) そんな全員異端児のハードコアバンド夜光虫のデビュー&リリースに伴い、今回MOLSがショートムービーを制作。激しいフィードバックに切り裂くような轟音、その場で瞬間的に生み出されるノイズ芸術を30秒間に凝縮し、90年代のVシネマもしくは日本カルト映画のような映像が出来上がった。 最後に、夜光虫の音源について一言「カセットテープを最後まで聴いてみろ」。 フィジカルはいいよ、カセットテープデッキをお持ちの人は是非。カセットテープでの購入は、INDUSTRIAL COAST及び、夜光虫のbandcampページからお問い合わせをお願いいたします。 Released by Industrial coast UK Order the Cassette Tape at INDUSTRIAL COAST offical shop https://industrialcoast.bigcartel.com... bandcamp https://industrialcoast.bandcamp.com/... "Noctiluca - Prelude" A side - 20:09 B side - 20:09 All tracks are improvised & recorded in [...]
没入する:アウクスブルクの実験音楽フェス “re:flexions sound-art festival”
ベルリンで毎年行われる実験音楽の祭典”Berlin Atonal”は、今年の開催を見送りに。私は、2019年に初めて参加したAtonalの写真を見返しながら、大きなダンスフロアで、爆音のなか思いっきり踊り明かせる日が来ることを待ちわびるしかなかった。 ”ニューノーマルな時代”と呼ばれることへの抵抗も無くなり、ベルリンでは徐々にではあるが、クラブイベントやライブパフォーマンスの開催も増え始めている。しかし、ベルリンで主流となっているFacebookページからのパブリッシュや招待は、警察の取締りが厳しく、昨今は、ダイレクトメッセージや、当日まで開催場所を公開しないアンダーグラウンドなイベント内容が目立ってきた。 やはり驚くのは、ベルリンで活動するアーティストたちのカルチャーに対する熱意と実行力である。そしてその中でも、アートの根を絶やさぬよう、今最も活発的で根強いジャンルが、エクスペリメンタル・ミュージックやサウンドインスタレーションである。 ベルリンといえばテクノの印象が強いが、テクノ・ミュージシャンがエクスペリメンタル・アーティストへと転向することは珍しくない。実験音楽へと没入するアーティストは、テクノ、パンク、メタル、ノイズ、時にクラシックと幅広く、無限の可能性を秘めた精神音楽のような気がする。 8月に入った頃、ヴァイオリニストのHoshiko Yamaneさんから、「re:flexions sound-art festival 2020」のコラボレーションアルバム「r/e」を頂いた。 re:flexions sound-art festival Official Webpage 「re:flexions sound-art festival」は、ベルリンから600km離れた街・アウクスブルクにて、2017年から毎年開催されている実験音楽の祭典で、このアルバムは、元々フェスティバルに招待されたアーティストたちによるリモートセッションで収録されたコンセプチュアル且つスペシャルな作品。今年は7月4日に開催される予定だったが、コロナウイルスによる被害拡大を懸念し、ラインナップを一部変更して開催されたそう。 参加アーティストは、Bu.d.d.A.(Sascha Stadlmeier&Chris Sigdell), Fabio Fabbri, Hoshiko Yamane, Agente Costura, Boban Ristevski, Occupied Head, Calineczka, Gintas K, Wilfried Hanrath, KOMPRIPIOTR, Lee Enfield, Waterflower,N(91), deepの13組。 ドイツで活動するアーティストたちに規則性はない。時とともに流れ、進化し続ける姿勢であることが、表現の幅を広げることに必要不可欠なのだ。 実験音楽というと日本では未だ馴染みの少ない音楽ジャンルではあるが、なんとなく実験音楽というジャンルが時代に追いつき始めたように感じる。現在、アルバムでの販売は終了している状態だが、bandcampで視聴可能となっているので、気になった方は是非聴いてみてほしい。 re:flexions sound-art festival Official Webpage
CEEYS Interview “WÆNDE” The world you see and don’t see
CEEYS / Portrait by Mizuki Kin Tachibana Interview: ARI MATSUOKA Date of interview: 27 July, 2020 Globalization is supposed to create a world where national "borders" become increasingly permeable and irrelevant, but, ironically, the world as we see it is crisscrossed with dividing lines. Our world today is full of divisions due to racial, religious, [...]
Dasha Rushが捉える音響空間とサウンドの関係性 – トイフェルスベルク元スパイ塔跡地
words : ARI MATSUOKA ベルリンの壁が崩壊した1989年以降、物凄い早さで急成長を遂げるこの街には、今もなお未開発の廃墟が沢山存在している。ベルリンでは新旧の建造物が共存する魅力的な街でもあるが、やはり建物自体の寿命には敵わない。私自身、移民としてベルリンで過ごした1年間のあいだにも、老朽化したアパートや建造物が惜しまれながらも取り壊されていく瞬間を何度も目の当たりにした。 最近だと、ミッテ地区にあった「タへレス」というアートハウス(スクワット)が跡形もなく無くなってしまった。ベルリンアートのシンボルだったタへレスは、2012年の閉鎖以降、建物こそ存在を残していたが、私がこの街へやってきた2019年の夏、その面影はあっという間に消えてしまった。 こうして次々と現代に均されていく中、西ベルリンの小高い山の上にあるトイフェルスベルク元スパイ塔跡地にて、ベルリンで活動するダシャ・ラッシュがレコーディング実験を行うということで現地へ向かった。 https://youtu.be/m9UZDxR8Sgo 【MOLS.tv】Sounds to scape at Teufelsberg Spy Tower photo by.DOTS Gallery Webpage 「悪魔の山」と呼ばれるトイフェルスベルクは、第二次世界大戦の爆撃で廃墟になったベルリンの瓦礫を集め、それらを積み上げてつくられた人工的な山。冷戦時代にアメリカ軍とイギリス軍が、東ドイツ、さらにはソ連の無線傍受に適しているとして、西側諸国が諜報目的でレーダーを設置した。かつては盗聴用として建設されたスパイ基地だが、ベルリンのアーティストや音楽関係者たちはその特徴的なドーム型の空間に目をつけ、新たなサウンドスペースへと変貌させたのだ。 8月16日、この日のレコーディング実験は、出演者及び関係者からのダイレクトメッセージで招待されたものだけが参加出来るというパーソナルなイベントだった。駅から会場までは徒歩で約30分、西と東が資本主義と社会主義によって分断されていた当時を思わせる、その異様なドーム型の物体を目指して山の頂上へと向かっていった。 このイベントはドッツ・ギャラリーが主催しており、不定期で建物全体を使ったサウンドパフォーマンスやインスタレーションを行なっている。 上部にあるドームは、いわば自然な放物型のリバーブチャンバーとして用いられ、何百メートルもの音響ケーブルを使用し本館1階にあるドッツ・ギャラリーの録音スペースからドームへと音楽が送られる。ドーム内へ送られた音響信号はL/Rのスピーカーで再生され、その反響音が2つのマイクで録音され1階にある録音スペースへと返されるという仕組みになっている。 光の屈折と同様、音に関しても広い空間と狭い空間では音の鳴り方が異なり、空間に存在するオブジェクトの材質などによっても変化してくる。今回着目する点は、そのオブジェクト(元スパイ塔跡地)とドームを使った反響音(リバーブ)である。ループした同じ音源にも、リバーブを加えることによって音全体の肉付きが良くなり、艶っぽい印象を与えてくれる。アンビエントやエクスペリメンタルミュージックのライブパフォーマンスを専門とするサウンドアーティストたちにとって、音響空間表現を熟知することは非常に重要なことなのだ。 写真ではわかりにくいが、大きく開いた扉の奥にはドッツ・ギャラリーの録音スペースがあり、ダシャ・ラッシュとオペラ歌手のサロミエがパフォーマンスし、観客は目の前に設置されたオリジナルスピーカーから流れる幻想的な音響空間を楽しむ。 正直かなりマニアックな実験パフォーマンスだと思ったが、観客の中にはアーティストや音楽業界で活躍する人たちの姿が多く見えた。 会場で使用される機材はほとんどが自作のもので、写真のようなカートと一体となった移動式スピーカーが左右に2台設置されていて、左側のスピーカーからは録音スペースからリアルタイムで送られる音が流れ、右側のスピーカーからはドーム内へ送られ反響して返ってきた音が流れる仕組みになっている。 Dasha Rush, photo by. MOLS magazine この日のメインアクトであったダシャは、自身のレーベル「フルパンダ・レコード」を主宰するDJ/プロデューサーであり、アーティストやダンサーと共に劇場や映画館などでインスタレーションを開くなど、より実験的で芸術的なサウンドアーティストとしても活動している。 今年はコロナウイルスの影響もあり、世界各国で音楽フェスや大きな野外イベントは軒並み中止。ベルリン市内では、未だライブハウスやクラブハウスの営業規制が厳しい状況にある中、常に音楽とその他芸術表現の融合を研究し続けるベルリンのアーティストたちの強い意志と実行力を目の当たりにした。ベルリンで活動するアーティストたちは、既にニューノーマルな時代へ突入していくこと受け入れている。寧ろ、コロナウイルスの猛威について未だ議論を交わしている人は少なく、自然環境問題や貧困国の食料不安など、更に大きなテーマについて真剣に考え訴えかけるような動きを見せているように感じる。 NASAは時々、宇宙からやってくる電波の振動を音に変換したデータを公開しており、音楽家ブライアン・イーノは天体物理学者と組んで星の内部で発生した音で宇宙オーケストラを作ろうとしている。これからの時代は、ただ流行りを追うものではなく、私たちの日々の暮らしに関係する言葉や雑音、自然音に寄り添うようなサウンドが求められるだろう。 Dasha Rush Official Webpage Instagram Alexandra Pyatkova YouTube DOTS Gallery Official Webpage Instagram
人種問題やウイルスによる国境封鎖、ニューヨークで活動する音楽プロデューサーFurozhに独占インタビュー
Interview: ARI MATSUOKA Date of interview: 14 July, 2020 アメリカ・ニューヨークは世界で最もコロナウイルスのパンデミックに苦しんでいる。誰もが2メートルの距離を保ちながら立ち話しをするニューノーマルな時代へと変容し、家族や恋人、親しい友人とも気軽に会うことが許されなくなった。そんな中、ジョージ・フロイドの殺害から始まったBLM運動は未だ活発に行われており、私たち人間は社会の断片化ではなく更なる連帯が必要な状況だといえる。 ハウス、アンビエント、ダウンテンポ、トラップ。ニューヨーク在住 @offthescene_ のプロデューサー兼創設者である Furozh は、音楽スタイルを柔軟に変更してDJミックスのように聴かせることが出来るトラックメーカーだ。 分裂と格差がコロナウイルスの噴火によって明らかにされたニューヨーク。 市の現状について困難な状況の中、彼にメールでインタビューをした。 Furozh https://www.youtube.com/watch?v=5amhIqaZSJM&list=OLAK5uy_lP1RLz2h2ILFXVo2Xx04P-eZLI6PQx9SI&index=1 Furozh Album "Set Me Free" Q1 出身地を教えてください。 ニューヨーク・バーノン出身。 Q2 ニューヨークでは最近、3ヶ月続いたコロナウイルスによるロックダウンが解除されました(6月20日のインタビュー時)。人種差別デモの最中で、ニューヨークの街の様子や住んでいる人々の様子はどうですか?また、"curfew"制度とはなんですか? 多くの住民が、人種差別の問題よりも、コロナパンデミックによる生活への不安の方が気持ちも大きかったと思う。その中で起きた人種差別デモ(以下BLM運動)に参加する人々の中には、アメリカ政府に対する不満や、情勢への不安をただ発散するためだけに暴動を起こす者も多くいた気がするな。 ニューヨークでBLM運動が起きる以前やその最中も、罪のない黒人が殺されているという事実は変わらない。そして、デモが過激化することによって、アメリカに住む黒人たちが危険にさらされているということも事実なんだ。 "curfew(カーフュー)"とは、一般市民に対して公権力の行使として例外的な場合を除き夜間の外出を禁止するという意味で、ニューヨーク各地で実行されたもの。住民の安全を確保するためのもだと政府や警察は言っていたけど、実際のところは、僕たちニューヨークで暮らす市民たちの発言や正義を探し求める行動を抑制しているようにも感じたよ。 Furozh Interview “SAY NO TO RACISM WE ARE ALL HUMAN” photo by.Furozh Q3 昼間のデモに参加している人たちと、夜間のデモに参加している人たちでは活動内容や人種に違いは見られますか? 昼間に行われるデモは家族連れや年配の方など、平和的で落ち着きがあり、それこそ”政治運動”と呼べるものだった。ただ、実際に見られている人数や参加している人数の規模は夜間の方が多くて、その大多数は若者たちによってデモが行われていたよ。人々の通勤時間や外出時間によって、年齢や人種は違っているように見えたかな。 Q4 あなたがニューヨークに住んでいて感じる差別はありますか?人種に問わず、セクシャル、宗教、世界観問いません。 勿論! Furozh Interview “SAY NO TO [...]
Furozh Interview “SAY NO TO RACISM WE ARE ALL HUMAN”
Interview: ARI MATSUOKA Date of interview: 14 July, 2020 New York, USA suffers from the most coronavirus pandemic in the world. Transforming into a new normal era where everyone can stand up to a distance of 2 meters and easily meet family, lovers, and close friends It seems that we human beings need more solidarity [...]