documentary and culture magazine

between dream and reality

ドイツ政府は本日4月20日以降から、ブティック等の一部専門店や、小・中規模の商店の営業再開を認めた。その中で、5月3日まで3人以上の集会などを禁止、大規模イベントや音楽フェスなどの開催は8月末まで禁止するという、ベルリンに住む人々にとって、以前の生活に戻るには未だなお遠い状況とも言えるだろう。

4月19日の街の様子は、ジョギングや日光浴で心身のリラックスをする人たちや、家族や親しい友人と散歩をする姿をよく見かけるようになり、3月下旬の頃の緊迫した雰囲気と比べ、街ゆく人の表情も緩やかで、私自身、ようやく春の訪れを感じられるようになった。

さて、前回のブログでは、3月22日(日)にライブストリーミング配信を行った際の映像を公開したが、今回は、初めて自主制作した25分にも及ぶモノクロ映像を更新・紹介したいと思う。

映像を制作するにあたって、私がまず一番始めに取り掛かった作業は「自分自身を許すこと」だった。私は、ものを作るということにずっと躊躇いがあった。その一つの理由として、自分が思い描くものを形にする過程で、頭の中で創造する理想と、今の自分が実際に表現することが出来るもののクオリティー(現実)のギャップに直面するのが怖く、心底避けていたからだ。己の今の力を知るということは、時に酷く、真実を突きつけられる。その事実をどう受け入れ、いかにその恐怖と向き合うかが一番過酷なのだ。アーティストとして活躍する人たちは、日々自分との戦いなんだと思うと、何度も言うが、本当に頭が上がらない。

私は、昔の塚本晋也や石井岳龍、デヴィッド・リンチようなコントラスト比の強い、いわゆるパニック映画やパンク・カルト映画が好きで、また、ラース・フォントリアーのように、今やセンシティブなテーマを扱う非道徳な映画や、アンドレイ・タルコフスキーのような哲学的な美しさを感じられる映画が好きだ。ラース・フォントリアー監督を除くこれらの監督作品の初期作品はモノクロ映画から始まり、モノクロの映像は、時代の概念を越え、黒のコントラストが幾重にもレイヤーとなって、見る人の心理を深層へと導くのだと、勝手ながら感じるのであった。文明が栄え、8Kの映像が世間で話題になった今でも、私はアナログで粒子の荒れた荒々しい映像に、今もなお高揚感を掻き立てられるのだ。

私の中で、現実の世界と夢の世界の境界線は非常に曖昧なものだった。そんな中で、私が実際に見たものをどうやって映像に残そうかと考えた時、それは色のある世界ではなく、モノクロの世界だった。映像の核心や解説はするつもりはないが、一言伝えられるのであれば、私自身の中でこの映像は全て”事実”に基づいて制作したということだ。

今回、映像にインプロヴィゼーション(即興)で音をつけてくださったのは、サウンドアーティストとして活躍するMAKOTO SAKAMOTOさん。私の荒い映像が、見違えるほどに格好良くなり、また、レアな環境で一緒に制作出来たことを嬉しく思います。そもそもは、Keisuke Sugawaraさんとの3人での共同制作で、彼が映像と音に合わせて、これもまた即興で演じているので、出来れば「MOLS live streaming vool.1」の当日の配信動画の様子も是非ご覧いただきたい。

本当に、ありがとうございました。

映像の音源に関しては、MOLS magazineのSoundCloudページにて公開されておりますので、こちらも是非チェックしてほしいです。

実はこのライブ配信を行うにあたって、PreSonus STUDO ONEというオーディオインターフェースを手に入れた。今現在は、過去に録り溜めしていたフィールド音源を遊びではありますがミキシングしている最中です。完成次第、そちらは別のアカウントで更新予定なので、また時期がきたらご報告させていただきたいです…。

 


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