
2月から3月にかけての約一ヶ月、いや、体感速度ではもっと短い期間の中で、世界の状況は全く変わってしまいました。初め、ドイツ政府の新型コロナウイルスへの認知は、2月までは感染経路もはっきりしており、あくまでも「外から来たウイルス」のイメージが強かったのですが、3月に入り、連日報道されるニュースでは「もう、すぐそこまで近づいている」という焦燥感へと変わっていった気がします。
4月となった今もなお自粛期間は続いていますが、現在ドイツにけるコロナウイルスによる新規の感染者数は、最悪期の3分の1以下の2千人程度まで減ったようで、アパレルなどの専門店を対象に、少しずつ営業を再開するところも出てくるようです。
現在のベルリンの街を見渡すと、イタリアやフランスの外出禁止令に比べると緩やかで、人々は落ち着いて健康でいることを一番に考えているように見えます。
自主企画「MOLS」は、ベルリンに滞在するなかで初めてのチャレンジでした。
イベントを進行していく中、コロナウイルスによる世界的なパンデミックが発生し、私は幾度となくこのまま進むのか、それとも止めるのかの選択を迫られることになりました。開催日の1週間前、ドイツ政府から第一段階の自粛要請が発令され、街のレストランやカフェは営業時間を短縮しながら、国民たちに対して、徐々に社会的距離を取ることを勧めました。
政府による冷静かつ断固たる姿勢を目の当たりにした中で、「やらない」「延期する」という選択を選ぶことも出来ましたが、自分の中で逆に今ある環境で出来ることを試してみたいと思い、私は、無観客の状態でライブストリーミング配信をする方向で舵を切りました。
当時は共演したMAKOTOさん、Keisukeさんと連日コミュニケーションを取りながら、自分の中でどのようなアクションが一番良いのか、考えて、考えて、電車を乗り過ごす日々も少なくなく、今思えば、テンパっていたんだろうなと感じます。
当日の様子は今でも覚えています。
共演者の2人よりも早く到着した私は、街の静観とした風景に、未だ信じられない状態でした。ただドイツは、この危機的状況に対して永遠の権力を追求したり、他者に責任を転嫁することのなく、その逞しい姿勢に改めて気付かされることも多かったです。
撮影地として利用させていただいた「Club der polnischen Versager」では、一人で機材のリハーサルをしいていた時、スタッフUrszulaさんにとても親切にしていただきました。封鎖された街のなか、閉め切った店内で彼女と2人きり、時にプライベートなコミュニケーションを取っている時間が何よりの癒しでした。
当日は、共演いただいた2人や周りの方々のお陰もあり、沢山の方からコメントやメッセージを頂くことが出来ました。
結果として、MOLS Live Streaming Vol.1を実行したことは、私が今後動き出すために必要なアクションや計画性、自分の在り方を学ぶキッカケになったと思っています。また、こんな状況下でも、作品を生み出すということに対して日々向き合っているMAKOTOさん、Keisukeさんの姿勢を見て、心からアーティストとして生きる人を尊敬しました。
ということで、当日のライブストリーミングの様子を見やすく編集したものをアーカイヴとしてYouTubeに公開致しましたので、是非見てください!
現在はIGTVでも公開できるように只今準備中ですので、またシェアさせていただきます。
「note」でも公開しておりますので、そちらもチェックよろしくお願いいたします。
https://note.com/ari_matsuoka/n/n2608874b771e