今年、私のなかの色んなものが消えていなくなった。
ここに来て、もう昔の私には戻れないステージまで来ているような気がする。
心配性で、常に背中に壁がある状態でないと落ち着かなかった私だったけど、ふと振り返れば、随分と遠くまで歩いてきたようで、背中にあった壁は取り壊されて跡形もなく無くなっていた。
誤って破損したものは修復できるけど、大きな衝撃で破壊されたものは二度と修復できない。昔テレビ「劇的ビフォーアフター」で、思い出の家の内装が容赦無く取り壊されて、家主がその光景を見て思わず泣いてしまうシーンを思い出し、今の私の心情が全くその通りだなということに気付いた。
別に無理矢理取り壊されたわけでもなく、自分から依頼したはずなのに、手放す行為に対して恐怖を感じる。お気に入りのブランケットを手放し一人でベットに向かう子供のような、自然と過去の習慣から卒業できるわけもなく、まあ大人はややこしく、面倒に育つものだ。
容赦無く破壊されていく様子にただただショックを受け、もう二度と戻らない光景に泣きじゃくった日々もそう長くは続かない。泣いた後は、隣人から「なんだ、そっちの方がいいじゃん」「昔の面影が消えて明るくなったよ」という言葉が貰え、初めは歪でも、心も体も自然と形状記憶するんだということを学んだ。今の気持ちは凄くスッキリしている。それと同時進行して、割とやること山積みな状況に苦笑いしながらも「とりあえず進みます!間違ったらごめんなさい!その都度教えてください!」と軽い気持ちで考えられるようになったような気がする。
人間には、時に必要のない美学がある。悪魔崇拝が流行らなくなった今、次に目指すステージは闇や影の部分を表に出さずにオーラやパワーに変えて光を放てるようになりたい。